死亡保険はムダ?「もしも」の確率は何%なのか?

死亡保険はムダ?「もしも」の確率は何%なのか
ファイナンシャル・プランナー 長尾義弘
2016年05月21日 07時55分

 まさかという大病、思いがけない事故、いつ何時襲われるか分からない天変地異……。もしもの場合に備えて人は保険に入る。残された大切な家族が困らないようにしたいと考えるのは当然だろう。ところで、この「もしも」が起きる確率は一体どれほどなのか? ファイナンシャル・プランナーで辛口保険評論家の長尾義弘氏が、この疑問に迫る。
1.死因の確率が高いのは?
突然ですが、問題です。

 次の死因で確率の高い順に並べ替えてください。

・交通事故で死ぬ
・がんで死ぬ
・サメに食べられて死ぬ
・飛行機事故で死ぬ
・殺人事件で死ぬ
・落雷で死ぬ
・自殺で死ぬ

 人は、意外と本当の確率をわかっていないことが多いのです。

 昨年パリで起きた同時多発テロは、130人以上の死者が出る大惨事となりました。幸い日本人の被害者はおりませんでしたが、大勢の一般市民が巻き込まれた凄惨せいさんな事件は記憶に新しいでしょう。

 昨今、テロは世界中で多発しています。考えたくはありませんが、日本でもテロが起こる可能性はあります。

 では、人口1億2000万人余りの日本人がテロ事件に巻き込まれて死亡する確率はどのくらいでしょうか?

 2014年、世界でのテロにおける死亡者数は3万人です。大雑把な数字ですが、世界の人口約60億人の50分の1が日本の人口だとすると、3万人の50分の1は600人。つまり、日本人がテロによって死亡する確率は、年間に600人ということになります。

 600人という数字をみると、ちょっと他人事ひとごととは思えませんね。

 さて、前後しましたが、先ほどの問題の答えは次の通りです。( )内は10万人当たりの死者数です。

 7位 サメに食べられて死ぬ(0.0001人)
 6位 落雷で死ぬ     (0.0002人)
 5位 飛行機事故で死ぬ  (0.013人)
 4位 殺人事件で死ぬ   (0.3人)

2.あなたが死ぬ確率が高いのは……?

飛行機は怖いから乗らないという人もいます(画像はイメージ)
 3位 交通事故で死ぬ   (  4.6人)
 2位 自殺で死ぬ     ( 19.5人)
 1位 がんで死ぬ     (293.5人)

 いかがでしたでしょうか?

 あなたが想像していた死ぬ確率と合っていましたか?(それぞれの死者数は、警察白書、厚生労働省の人口動態統計を参考にしました)

 テレビや新聞では、毎日残忍な殺人事件、テロ事件などが報道されています。でも、自動車事故や自転車の盗難などは、毎日頻繁に起きていますが、ほとんど報道されていません。誰も興味を持たないですからね。

3.人は確率を無視してしまう

 こんな話もあります。2001年9月のアメリカ同時多発テロ事件の後、アメリカ人の多くが民間航空機による移動を避けて自家用車による移動を選択したために、同年の10月から12月までのアメリカにおける自動車事故による死者の数は前年同期比で約1000人増加したそうです。飛行機事故で死ぬ確率のほうが交通事故よりも低いのに、大惨事を目の当たりにしたために、確率が無視されてしまった例と言えそうです。

 自殺という死因が非常に多いのも気になります。人口動態統計によると、2014年は2万4417人。1日当たり約67人が自殺で亡くなっているという計算になります。

 テレビなどは、視聴率が大事です。凄惨な事件ほどみんなの興味を集めて視聴率が上がります。それは、めったに起きないことです。めったに起きないからこそニュースにもなるのでしょう。

 事件が残忍であればあるほど、ニュース番組のコメンテーターは「こんなひどい事件が身近で起きるなんて怖いですね」とか、犯罪評論家が「一見普通に見える人が犯罪者になる可能性がある」などと警告をします。もちろん、注意をするにこしたことはありませんが、こんなニュースを見ていると、まるで自分の身の回りで何か起きやしないかと思ってしまうわけです。

4.通り魔事件と宝くじの相似点

もしかしたら大金が当たるかも?(画像はイメージ)
もしかしたら大金が当たるかも?(画像はイメージ)
 08年、東京・秋葉原で通り魔事件がありました。たまたま、その場に居合わせた通行人7人が死亡、10人が重軽傷を負いました。

 通り魔事件というのは、そもそも起きる確率は決して高くない事件です。そして、その場にいて、事件に遭遇するという確率となると、数字はぐっと下がります。

 しかし、こうしたショッキングな事件が報道されると、人混みを歩くことが怖くなったり、秋葉原に行くことを過剰に心配したりしてしまうことはないでしょうか?

 実際に、通り魔事件に巻き込まれるという可能性はゼロではありませんが、確率で言えばほとんどありません。しかし、それが大々的に取り上げられると自分にも起こるのではないかと思ってしまうのです。

 実はこれ、ジャンボ宝くじと同じなんです。

 みなさんは、「もしかしたら当たるかもしれない」なんて思っているから、宝くじを買うのでしょう。「絶対に当たらない」と主張する人は絶対に買わないはずです。

 そんな宝くじ、1等が当たる確率は、1000万枚買ったうちのわずか1枚です。

 どうしてこんな絶望的な確率でも、「自分は当たる」と期待できるのでしょうか?

5.死ぬ確率が高いたばこ

喫煙のリスク知っていますか
 人は確率を誤って認識し、滅多に起こらないことを過剰に心配したり、実は身近で頻繁に起きたりしていることに反応が鈍いことがあるようです。 

 死ぬ確率の高いもので、意外と気にされていないのがたばこです。

 喫煙が原因と考えられる死亡者数は、年間13万人という厚生労働省が発表しているデータがあります。交通事故の死者数は年間5717人です(2014年 人口動態統計)。

 ここで単純に交通事故と比較すると22.7倍になります。

 ただ、交通死亡事故の被害者になる可能性は国民全員なのに対し、タバコで死ぬ可能性があるのは喫煙者です。日本人の喫煙率は約20%。喫煙者が死亡する確率は約5倍に跳ね上がるわけです。

 交通事故で死亡する確率は約2万2000人に1人。これに対し、喫煙で死亡する確率は約192人に1人という計算です。これは、交通事故のなんと115倍に上ります。

 たぶん、たばこを吸っている人は、死亡率がこんなに高いとは意識していないのではないでしょうか?

6.確率を理解すればもっと節約できる

 正しく確率を知ると、ムダな出費を抑えることができるのをご存じですか?

 それは、正しい確率を理解することによって、自分の不安(リスク)に対応できて適切な保険を選ぶことができるようになるからです。保険は、死亡率、入院率、がんの罹患率など、まさに「もしも」を想定した確率で作られている商品です。

 それでは「もしも」の確率はどれくらいなのでしょうか?

7.「もしも」を知ればムダが減る
 働き盛りの会社員を年代別に考えてみましょう。厚生労働省が発表している年齢階級別の死亡数(2014年)を基に死亡率を割り出してみました。

 たとえば、30歳代会社員。30~34歳の死亡率はわずか0.003%。入院する割合は0.018%です。

 死亡率も入院する確率も低いこの世代は、子どものいない夫婦共働きなら、保険金はそれほど必要ありません。保障料の低い死亡保険とがん保険の両方を組み合わせて、夫婦2人分で月額保険料7000円程度の保険に加入することもできます。

 40代後半の方はどうでしょう。45~49歳の死亡率は0.011%。入院する確率は0.029%です。

 死亡リスクはまだ低いですが、大学生の子どもを抱えていたり、住宅ローンや老後資金の準備をしたり、支出が多くなる時期ではないでしょうか? ある日突然亡くなってしまうようなことがあれば、家族は路頭に迷ってしまいます。死亡保険は入っておきましょう。子どもが1人の場合、大学の学費と生活費を目安にすると、保障は1000万円ぐらいで十分でしょう。会社員の場合は、様々な保障があるので医療保険は入らなくても大丈夫。家計は厳しいと思いますが、わずかでも貯蓄を心がけた方がいいですね。

8.ムダな保険はすぐ見直そう

 次に、子どもが独立したという50代後半の夫婦の場合です。55~59歳の死亡率は0.242%。入院する確率は0.0472%です。

 50代後半で子どもが独立した場合は、教育資金などのリスク(不安要因)がグッと減ります。その代わり、老後のリスク(不安)が増えます。その場合は貯蓄で対応しましょう。ムダな保険を見直し、少しの死亡保険とがん保険だけにすれば、かなり保険料は安くなります。

 人はなかなか確率を正しく認識することはできないものです。しかし知識を補うことで、正しい確率に近づけることができます。心配しすぎて、やりたいことができなくなったり、不安を抱えたりするとストレスも抱えることになってしまいます。ストレスは、健康にとって大敵です。健康な生活をするためにも、正しい確率を知るようにしてはいかがでしょうか。

(注記)当サイトは投資顧問業ではありません。上記情報は私個人のためのデータであり、当サイトの情報によって、損害、不利益等が生じましても、当サイトは一切の責任を負いません。ご自身の責任の下でご利用ください

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サラリーマンを辞めて「専業トレーダー」やっています。現在は、配当重視株7割 売買3割でやっています。
(注)「FHファンド」は、個人事業届出時の屋号です。投資顧問業ではありません!

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