やっぱり、任天堂株ってバブルなの?

やっぱり、任天堂株ってバブルなの? ~「ポケモンGO」で担がれた老舗ゲームメーカーの行く末を考える~
柳内啓司 | メディア・プロデューサー
2016年7月23日 19時12分配信


日本でも7月22日配信開始となった『ポケモンGO』。早速、初日から国内AppStore売上ランキング第一位を獲得するなど世間を賑わせている。株式市場においても、ポケモンGO配信スタート以来、任天堂株は2倍近く値上がりを見せるなど、大注目を浴びている。

この任天堂株の爆上げに、市場からは「さすがに過大評価ではないか?」という声も多々聞こえる。果たして、任天堂の株価はバブっているのだろうか?いくつかの側面から検証してみたい。

「ポケモンGO」売上のうち、任天堂に入るお金は?

はじめに「ポケモンGO」のステークホルダーである任天堂、ポケモン社、Nianticの関係を整理したい。ポケモンGOにまつわる売上金の流れと資本関係を図解すると下記のようになる。

この図から、ポケモンGO人気で受け取る任天堂の利益を算出してみよう。まず、アプリ売上のうち、AppleまたはGoogleが徴収するプラットフォーム使用料3割を差し引いた、7割がアプリ開発元のNiantic社に入る。そのうちの一部をポケモン社のライセンス使用料・開発協力費として受け取る。この金額は非公開だが、ライセンスビジネスの相場から30%程度と推測される。さらにそのうち、任天堂のポケモン社の持ち株比率である32%が、任天堂の業績に反映されるわけだ。

これをざっと計算すると、0.7*0.3*0.32=0.0672。つまり、ポケモンGOの売上の約7%が任天堂の懐に入る計算になる。こう考えると、ポケモンGOバブルに、任天堂はそこまで大きな恩恵を受けてないことになる。それを強調したかったのか、任天堂自身も、「当社の連結業績に与える影響は限定的」というコメント昨日リリースしている。

さらに、任天堂はアプリと連動するウェアラブルデバイス「ポケモンGO Plus」の発売を7月末に予定しているが、この点についても、先日公表した連結業績予想に「織り込み済み」で、「直近の状況を鑑みても、現時点では、当業績予想の修正は行いません」ときわめて保守的だ。

任天堂の言うことを信じると、現時点の任天堂株は割高で過大評価されていると言えるだろう。

やっぱり、任天堂株はバブっているのか?

というわけで、任天堂株はバブっているというのが現時点での結論だ。しかし、中長期的に考えると、一概に過大評価とは言い切れないと私は考えている。理由は2つだ。

1.限定的とはいえ、ポケモンGOの利益は任天堂にとって大きい
そもそも、ポケモンGOの年間売上は、数千億円と予想する声もあり、たった7%とはいえ、任天堂に入る利益は大きい。任天堂の前期の経常利益は約287億円、純利益は約165億円であり、「ポケモンGO」の売上の7%(約数百億)がそこに乗っかってくるのは、かなり大きなインパクトだろう。今後の日米でも「ポケモンGO」が大きな事故なく、順調に普及すれば、任天堂が上方修正をしてくる可能性も十分ありえる。(今後の規制リスクも織り込んで、任天堂は保守的なコメントをした、というのは行き過ぎた想像だろうか)

2.スマホゲームで成功体験を持った任天堂の可能性
ガンホー、ミクシイ、コロプラなどがソーシャルゲームでスマッシュヒットを世に送り込み、大きな利益をあげる中、任天堂はソーシャルゲームに手を出してこなかった。これはガチャ課金システムが長続きしないと考えた故・岩田社長の経営方針によるものだったが、結果として、スマホシフトに乗り遅れた任天堂の株価は低迷した。

しかし、過去をたどれば2007年11月2日に任天堂は70500円という、現状を遥かに超える株価を記録している。これは「ニンテンドーDS」「Wii」などのコンソールゲーム機がバカ売れし、任天堂が栄華を誇っていた時代である。

今回の「ポケモンGO」で、任天堂はスマホゲームでの成功体験を持った。そして、任天堂はポケモンのみならず、マリオやゼルダなどの強力IPを所有している。デバイスシフトの遅れにより、冷や飯を食わされていた「ゲームの王様」がコンテンツパワーを思う存分発揮し、株価を引き続き上げていく可能性は十分にあると思える。

「ポケモンGO」で自信を付けた任天堂がスマホという戦場でどんな戦いを見せてくれるのか?今後も目が離せない。

※本記事はあくまで個人の意見です。投資は自己責任でお願いいたします。


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サラリーマンを辞めて「専業トレーダー」やっています。現在は、配当重視株7割 売買3割でやっています。
(注)「FHファンド」は、個人事業届出時の屋号です。投資顧問業ではありません!

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