ダウは、なぜ最高値を更新できたのか?

株価押し上げた2つの驚き
NQNニューヨーク 増永裕樹
2014/7/19 7:59


 18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発した。今週はマレーシア航空機墜落など地政学リスクに揺れる場面があったものの、週半ばに過去最高値を更新。終わってみれば週間で160ドル近く水準を切り上げた。高値警戒感がくすぶる中で相場を押し上げたのは2つの衝撃だ。米主要企業の意外な組み合わせが、投資家の物色意欲をかき立てた。

 Xメンからバットマンへのプロポーズ。ダウ平均が最高値を更新した16日、ある“結婚話”に衝撃が走った。メディア大手の21世紀フォックスが同業のタイムワーナーに対して買収を提案していたことが明らかになったためだ。両社はともに米国を代表するヒーローの映画を手がける業界の老舗。ワンダーリッチ・セキュリティーズのアート・ホーガン氏は「驚きのある組み合わせが高値更新の原動力になった」とみる。

 タイムワーナーが提案を拒否したため思いは成就しなかったが、提示された買収金額は約8兆円に達したもようだ。業界の雄同士という意外感に加え、その金額の大きさは経済のダイナミズムを投資家に印象づけるには十分。投資家が貪欲に利益を求める「アニマルスピリット」に火をつけ、足踏みを続けていた相場の上放れにつながったというわけだ。

 意外な組み合わせはメディア業界にとどまらない。アップルとIBMによる企業向け携帯端末分野での提携も市場に衝撃を与えた。両社といえばパソコン黎明(れいめい)期に繰り広げた死闘が有名だ。IBMがアップルの祖業であるパソコン分野に参入するに際し、アップルは「ようこそIBM、いや本当に(Welcome IBM、seriously)」と皮肉のきいた広告を大展開。かつてのライバルが協力する姿に時代の流れを感じ取った投資家は多いはずだ。

 バークレイズのベン・レイツェス氏は、今回の提携について「アップルが企業向け分野へ進出する扉を開けるもの」と評価する。IBMが持つ潤沢な顧客を取り込めれば、悲願である企業向け取引の拡大につながると指摘。現時点では定量的な効果を測ることは難しいものの、携帯端末分野が弱いIBMにとってもアップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を取り扱える意義は大きいという。

 投資家にとっても両社が示した可能性が持つ意味は大きい。バンクオブアメリカ・メリルリンチが15日発表した7月の機関投資家調査によると、差し引きで21%の投資家が投資尺度と比べて相場の水準が「過大評価」と指摘。その比率は2000年5月以来の水準まで上昇し、一方的に上値を追うことに対する迷いを映し出した。

 もっとも、企業が新たな収益源を発掘できれば話が変わってくる。互いに強みを持ち寄ることで事業基盤を強化し、利益拡大につながればPER(株価収益率)は低下。相場の重荷になっていた投資尺度は、むしろ買い手掛かりに転じる。

 もうはまだなり――。相場の格言によれば、そろそろ頭打ちと思っていても上昇相場は意外に長引くという。高値警戒感がくすぶる中で上放れした米株式相場は、米企業の底力を嗅ぎ取っているのかもしれない。

にほんブログ村 株ブログ 株 中長期投資へ
面白かったらクリックしてね

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

アクセスカウンター
プロフィール

諸葛孔明

Author:諸葛孔明
サラリーマンを辞めて「専業トレーダー」やっています。現在は、配当重視株7割 売買3割でやっています。
(注)「FHファンド」は、個人事業届出時の屋号です。投資顧問業ではありません!

株価&為替ボード
最新コメント
最新記事
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
株式・投資・マネー
208位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
株式
102位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム
ブログ村
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
アクセスランキング
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる