古い記事だが 面白いですよ!

惨敗野党は分裂へ、野田佳彦の出番
飯島 勲 「リーダーの掟」

PRESIDENT 2013年8月12日号


菅官房長官の徹底した危機管理

自公圧勝にひとまずホッとしている人が多いのではないだろうか。今回の選挙結果により、次の衆議院選挙までの3年間は安倍政権が存続することになった。この歴史的圧勝はアベノミクス効果で経済状態が上向いていたことと、野党が勝手に自滅を繰り返したのが直接の原因だろう。しかし、私は官邸の危機管理の強さをこの勝利の背景に見る。

まず、誰も気づいていないことだが、大臣が誰も辞任していない。辞任はニュースになるが、辞任なしはニュースにならないのだから気づかないのも仕方がないが、もう少し縁の下の力持ちについて思いを馳せてほしい。歴代内閣において無傷で大臣を守りきった例はほとんどないのではないか。今後も予断を許さないが、スキャンダルを未然に防ぐ官邸の危機管理能力は菅義偉官房長官を中心に政権交代からの半年間でいかんなく発揮された。


総理と官房長官の絶対的チームワーク(PANA=写真)

官房長官のポジションは、ボトムアップの頂点にある。そして、総理大臣のトップダウンの一番の伝達役でもある。官房長官をやっていると日本国を差配しているような錯覚が起きやすく、歴代の官房長官は「俺が日本を動かしているんだ」という勘違いを始めた。しかし、菅官房長官は、完全に己を殺している。「安倍総理を守る」、というその覚悟は凄まじい。その菅官房長官が、内閣、霞が関、永田町の、アベノミクスへの反乱分子を徹底的に取り締まっている。

また、不規則発言がないのもこの内閣の大きな特徴だ。教育委員会など、半世紀ぶりの改革をはじめようとしているが、文部科学大臣が先走った話をメディアの前ですることはない。林芳正農林水産大臣も、茂木敏充経済産業大臣も、言いたいことはたくさんあるはずなのに、ジッとこらえている。

民主党政権を思い起こしてほしい。各担当大臣が好き勝手なことを言い、党は党で足を引っ張っていた。都合がいいと「全部私がやった」、悪くなると「私は関係ない」となった。

持ち場、持ち場でしっかり仕事をする。日本が弱体化して喜ぶのは、外国やメディアだけだ。これは民主党が完全に壊しかけた、いい意味での官僚組織や、秩序を取り戻す意味でも大変重要なことだ。

自公圧勝で懸念されるのはポスト安倍、つまり安倍総理の次は誰なのかという抗争が、自民党内で始まることだ。しかし、これは枝葉末節のできごとにすぎない。誰もが安倍総理の後継指名を受けたいと願うはずで、そうなればますます官邸の求心力が高まるからだ。官邸はスタンドプレーに走りそうな議員を遠ざけることにこれまで以上に注力すればよい。あとは勝手に物事が回っていくだろう。
内憂の要因がほぼ取り除かれた段階で、今後は本格政権に向けて内政外交の諸懸案事項を片付けていくことになる。今年は、極めて重要な外交日程、内政日程が続いており、それら懸案事項への差配によっては、安倍晋三総理大臣が日本憲政史上最長任期の総理大臣になることができる。

まず、次年度の予算編成がすぐに始まる。政権交代後、はじめての予算編成である。失望しか与えなかった民主党政権時の予算と比較して格段によくなることは間違いないが、そこに安住せず日本の将来を見据えたメリハリのある予算編成が必要だろう。

さらに9月は消費税増税の是非を判断する月でもある。外交は高い支持率、安定した内政基盤がなければ進めることができないのは歴史が証明している。ここでうまい舵取りができるか。

外交も重要日程が目白押しだ。まずは、日中首脳会談である。我慢比べの様相になっているが、安倍政権は世界中を巻き込んだ中国への揺さぶりに成功し、有利な状況を獲得しつつある。中国経済が大失速する中で、尖閣諸島で意地をはる中国がいつ音を上げるか。

次に着目すべきは、9月にサンクトペテルブルクで開催されるG20において、開催が見込まれる日ロ首脳会談だ。ここで北方領土問題に具体的な進展をもたらすことができるか。前回の首脳会談で多くの日本企業のトップを引き連れたわりには、経済連携などに関して具体的な進展が乏しかったように、私の目にはうつる。そこを補っていく必要を感じる。

同じく9月は国連総会が開催される。この総会までに北朝鮮の「拉致、ミサイル、核開発」問題は着地点が見えてくる。どう着地させることができるか。

また9月にはTPP交渉の山場を迎える。年内に大筋の合意を目指そうという米国の意向もあり、ここでしっかりと国益を主張できるのか。さらにはEUとのFTA(自由貿易協定)や、FTAよりもさらに連携分野の広いEPA(経済連携協定)交渉も大きな山場だ。

9月は非常に重要なイベントが重なる時期であり、9月に向かって官邸は準備を進めることになる。圧勝にうつつを抜かしているヒマはないのだ。
野田佳彦による野党勢力結集の大義

それにしても参議院選挙の野党は情けなかった。今後、野党は3年後の衆議院総選挙に向けて党の消滅、解体、分離という試練を迎えることになる。

私が今回非常に残念だと思うのは、民主党の選挙の戦い方である。今回の惨敗は、マニフェストを破り、官僚組織の破壊だけに奔走し、国民に重大な迷惑をかけた3年3カ月の当然の結果であった。しかし、そうだとしても、選挙期間中に政策提言をせず、ひたすらアベノミクスへの批判に終始した。これらは責任ある野党とは到底思えない態度だ。まったく賛成できないうえに、効果もほとんどない政策を並べた維新のほうが、それでも必死になって自分たちの政策を訴えかけていたことは評価できる。


このままでは日本で二大政党制が機能することはなくなるだろう。本当にそれが日本にとっていいことなのだろうか。安倍官邸で働く私ではあるが、非常に危惧を抱いている。どうすれば、自民党に代わりうる責任野党が誕生することができるのか、現実的なシナリオを描いてみたい。

まず維新の会で「東西問題」が勃発する。先の衆議院選挙で勝つことのみを目的として組んだ野合の集団が、存在感も発言権もない状態で一緒に活動する意味はほとんどない。東の石原慎太郎氏を中心とする集団と、西の橋下徹氏を代表とする集団に分離する可能性は極めて高い。

そこで西の集団が、みんなの党と合併するかというとまったく違う。みんなの党も火種を抱えている。それは代表の渡辺喜美氏と幹事長の江田憲司氏が決定的な仲違いをしていることだ。何らかのきっかけで、この対立が表面化するのは時間の問題だ。独裁的な手法を貫く渡辺氏と西の維新が一緒になることはお互いの警戒感の強さから実現できない。となると、江田氏を中心とするメンバーと一緒になるのが現実的であろう。

そこで中心となってくるのが、民主党の野田佳彦前総理だ。私は、民主党政権時の歴代総理の中で、唯一野田氏だけは総理大臣の器を持っていたと確信している。野田氏は、左右の思想に幅広くウイングを持ち、素晴らしいバランス感覚を持っていた。岡田克也氏のような組織のガンにも役割を与えて(与えたふりをしてあまり与えずに)、人材難でボロボロの民主党をトータルで率いることができた唯一のリーダーである。

次の衆議院選挙までに、野田氏が中心となって、西の維新、独裁ではないほうのみんなが結集して、自公に代わる対抗軸をつくっていく。選択肢はこれしかない。さもなくば、死だ。

(※本稿は、13年7月16日現在のものです)



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Author:諸葛孔明
サラリーマンを辞めて「専業トレーダー」やっています。現在は、配当重視株7割 売買3割でやっています。
(注)「FHファンド」は、個人事業届出時の屋号です。投資顧問業ではありません!

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